2009年7月12日日曜日

旅の終わりと旅のはじまり

アイスランド 旅の終わり

俺はなぜ旅に出たのだろうか。
それは、現在の自分にいらだっていたから、
そして抱えていた問題に嫌気をさしてからだ。

完全に行き詰まっていた。自分の情けなさに参っていた。

Mrxに相談した。彼の答えはこうだった。

「平さん旅に出ましょう。旅がすべてを教えてくれます。
なにもかも捨て、住民票も抜いて一人で孤独の旅に出てください」

俺はMrxの言葉を信じるまま旅に出た。
しかし、すべてを捨て1年間という長い期間の旅に出るには、
やっておくべき事がたくさんあった。

社長を代わり会社の整理、家族問題、友人の問題などを一つ一つ片付けていった。
といっても、どれもが中途半端のままの出発になってしまった。

俺は正月を日本で迎えたくなかった。
一人になりたかった。誰も知らないところで、一人で考えたかった。

考えるというより、自分自身を見つめたかった。
なぜ俺は今の俺になってしまったのか・・・

しかし、それと同時に本当に俺に旅ができるのかという不安があった。

言葉もわからない。
ガイドブックも持って行けない。
行く場所も知らない。
一人になったこともない。

無理だろうな・・・その方の気持ちが強かった。

ダメだった時どうしよう。どうやってお茶を濁すか。
どこに隠れているか・・・そんな事ばかり考えていた。

12月に入ったら一日でも早く旅立とうと思っていた。
結局出発は12月21日になった。バックパック1つ。
50万円現金を持ち新宿を後にした。
妻が見送ってくれた。

今回の旅のテーマはたった一つ。
それは、自分自身の原点コアを探すことだ。

なぜ俺は生まれ、なぜ働いているのか。
何のために。どうやって生きればいいのか。
これから会社はどうすればいいのか。

どういうライフスタイルを過ごせば幸せなのか。
家族を幸せにする事ができるのか。
俺のコアはなんのか。

そこに焦点を当てるだけの旅だ。ひたすら、コアを考えていく。
孤独になって。

旅には条件が二つあった。

一つが、一人旅であること。
一つが、お金をできるだけ使わないこと。

どれもやったことがない。困った。
俺は自分では気がつかなかったが、一人でいる事が一番耐えられなかった。

一人になると、寂しい。むなしい。仲間はずれ。なにもできない。
切ない。どうしようもない感情がわいてくる。

それに耐えられず誰かと行動する。誰かを誘う。

昔は貧乏だったのでお金をそれほど使わなかった。
給料も全部妻に渡した。

しかし、お金が入るようになって変わった。
買いたいものを買った。

最初は遠慮していたが、一つ高価なものを買ってしまったら、
次に買うものが平気になった。
クレジットで買うので、現金がなくても買える。どんどん買った。
必要ないものでも買った。

高価な時計、ブランドの服、家、マンション、車、絵果てしなかった。

2年もその生活を続けたらついにブラックカードが来た。
嬉しかった。

これが噂のブラックカードか・・・
これを手に入れるために買い物をしていた感じもあった。
そして、さらに衝動買いは増えていった。

会社の金、自分の金、見境がつかなくなった。
給料は鰻登り。

しかし、会社の経営にかげりが出た。自分の給料を下げた。
しかし、癖は簡単に直らない。今までのように買い物をした。

完全に公私混同。訳がわからなくなっていた。
そして、ついに会社も赤字になった。

そんな時Mrxとも別れた。
はじめるときにいつかはそんな時も来ると思っていた。
だからそれほど落胆もしなかった。

ただ、これからどうやっていこう・・・心の支えを失ってしまった感はあった。

しかし、彼も彼の人生がありやりたいこともある。
まだ20代だ。やりたいことをやらねば悔いが残る。
始まりと終わりは必ずある。

俺は年収5億円になった。会社も15億円の売上げになった。
周りは良いことを言う人悪口を言う人完全に別れた。
そうなることは想像できた。

しかし、俺はその道を選んだ。
なぜならやってみたかったからだ。

自分でやろうと思ってもできない。
やろうとする自分を押しとどめる自分がいるからだ。

人はなにかをしようとするとき、安全スイッチのようなものが入り、
やろうとする自分に抵抗する。
その抵抗に屈してなにもできないで終わる。
90%の人はそうなのだ。

しかし、俺は違う。違うから成功できたのだ。
安全スイッチをすぐに外してしまう癖がある。
安全スイッチを外すのは、実は簡単なのだが、多くの人はなかなかできない。

メンターを信じ、自分を捨て去り、いわれた通りに行う。
これだけなのだが、信じ切れなかったり、怖さをぬぐいきれない。
そして、築いてきたものを壊せないのだ。

無理はない。それが人間。弱い心、臆病な心を持っている人がほとんどなのだ。

会社は始まりはあるが終わりはない。
永遠に繁栄させなければならないのが会社だ。
会社とは、作ったら最後続けなければならない。

社員がいて、社員の家族がいる。
下請けがいて、下請けの家族がいる。そのすべての人達の人生がかかっている。
会社を作ったからには、その責任を負う。
責任を負えない人間は起業などしてはいけないのだ。

安易に起業した人間は、責任の重さに耐え切れなくなり会社をつぶしてしまう。

商売がうまくいかないのではなく、自分の弱さに負けてしまう。
俺も何度となくやめようと思った。
設立当初お金がなく惨めな思いをした。

しかし、お金は妻が用意してくれた。知り合いから借りたり、親から借りた。
常に妻が支えだった。

俺は慢心していた。なにが最も大切なのかを完全に忘れた。原点を忘れた。

ふり返ったきの自分は創業時の自分ではなかった。

俺は、自分を見つめ直すために原点を探すために旅に出た。
長い期間だ。すべてを捨てる覚悟で日本を発った。
そしていま、アイスランドにいる。

俺にとっての原点、俺にとってもコア。
おれはコアを見つけたに過ぎない。
これからコアに基づいた生き方をしていく。

それが理想のライフスタイルなのだ。
俺の本当の人生は今はじまったのだ。

コア:働くことで人生を知る。

これが俺のコアだ。俺は勉強をして今の自分をつくってきたのではない。
働く、一生懸命働く仕事の中で、自分をつくってきた。

俺は生涯を通じ、働く、この行為の中で、自分自信を作り、そして高めてきた。
働く中には、様々な苦労がある。教えがある。
どんな書物を読むよりも沢山の知識を得ることができる。

俺は働くことを通して、生きるとはなにか、
学ぶとは、優しさとは、人間関係とは、そんな問題を教わってきた。
しかし、いつの日か自分の成功に酔いしれ働かなくなった。

人は、それぞれにコアを持っている。
コアとは、自分生き方を決めるものだ。
それは、人により、家族であったり、技術であったり、
慈悲の心であったり、人それぞれ、1億人いれば1億通りのコアコアがある。

俺は、自分を高めたかった。もっと成長したい。
もっと、もっと・・・そう思っていた。
だから、難しい仕事に挑戦し、不可能と思われる仕事に燃えた。

そういう仕事をやり遂げることで、
自分が成長できると無意識のうちに感じていたのだ。

働く中にこそ、悟りがある。

俺はコアに基づきこれから働いていく。生涯にわたり働く。

俺はなにをやるのか?
俺がやるべきことは決まっている。

自分を高めていくのだ。
今の自分よりも、明日の自分。明日の自分よりの明後日の自分。

毎日、毎週、毎年・・・自分を成長させていく。

俺は仕事を通して、自分をつくっているのだ。平秀信という人間を成長させる。
これがコアなのだ。

最後に

孤独の旅はこれで終わりだ。
しかし、終わってみたらこれからが始まりだった。
旅とは人生だ。これから私の第2の人生がはじまる。

コアに基づいたライフスタイル。
それがどういうものなのか?私が実践し、その生活を克明に記録していく。

そして、ビジネスにおいていかなる結果をもたらすのか・・・
なにをどう行っていったのか?それも記録していく。

想像を超えた結果をもたらすことができるか、
それとも・・・孤独の旅パート2「進化」 に期待して欲しい。

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