2009年12月27日日曜日

挑戦しない人間

失敗しない人間についてお話しします。

人を雇う側の人間は、いつも「経験」のある人材を欲しがります。

現在のような経済不況においては、その傾向は特に顕著になります。

その理由は実は、新しく雇う人材が「何をするべきかを知っている」
ことは求めずに、「何をしてはいけないかを知っている」
ことを求めるからなのです。

つまり第一に「失敗をしない部下が欲しい」、
ということが雇用者の頭の中にある訳です。

「今日の知恵は、昨日の失敗から来る」、という言葉があります。

失敗をしない人間は、リスクを犯さない人間です。
つまり、新しいことに挑戦しない人間なのです。

そのような人間は恐ろしく平均的であり、
その人が何か革新的なアイディアを生み出す、ということは期待できません。

アイルランドの詩人、オスカー・ワイルドはこう言っています。

「失敗する危険のないアイディアは、アイディアと呼ぶにすら値しない」、と。

最近、部下に仕事の権限を分け与えることの重要性が説かれていますが、
実際には部下に「責任」を与えているだけで、
それに見合う「権限」を与えていないのではないでしょうか。

それは、部下が何か新しいことを考え、
そのせいで失敗するリスクは負いたくない、という魂胆なのです。

しかし、素晴らしいアイディアというものは、
社員が自分でアイディアを考え出し、それが失敗することで、
「経験」を手に入れ、その後に生まれるものです。

そこで、私から皆様に一つの提案があります。
有能ではあるが、あなたの会社の事業について
何も知らない人材を雇ってください。

彼らが失敗をするであろうことを分かった上で、
彼らに仕事を与えてください。
その投資は決して無駄にはならないはずです。

リチャード・ケスラーという著名なビジネスマンはこう言っています。

「私は新入社員にいつもこう言います。
お客様の対応をするときは、あなたが会社の責任者だと思いなさい、と。
決断しなければいけない局面には、あなたが正しいと思う判断をしてください。

そうすれば十回のうち九回は良い結果をもたらすでしょう。
そして、失敗をした一回については、私が責任を取ります。

だからあなたが正しいと思う判断をすることを、
絶対に躊躇しないでください、と。」

もし世の中の企業がみんなケスラーのように社員を教育したら、
世界はどのように変わるのでしょうか。
きっとあなたの会社には、優秀な社員が育つことでしょう。

リスクを恐れないでください。
そして、心に留めておいてください。

「失敗することなしには、経験を得ることは出来ない」、ということを。

1 コメント:

匿名 さんのコメント...

平秀信先生
いつも楽しく、勉強させられています。
為になる事を本当に有難うございます。
このコメントを書かせて頂いているのは2010年1月4日15:22です。
明けましておめでとうございます。
今年も宜しくご指導ください。
私は58歳でいま自分で会社を設立しようとして準備中のものです。
先生の教えを守らず間違いを犯し怒っているところです。長々となりますが聞いてください。
年末のあるメールから不労所得が得られる商材に手を出し、購入してしまったのです。その内容は、競馬の馬券がらみのもので、「とある抽選会で当選しました」ということでつい購入してしまったのです。わずか15,000円で三百万以上の現金がそれも7名様に入るという話です。私も馬券の予想商材は何度か購入しいい思いをさせて頂いているので「まあ三百万はマユツバにしてもお年玉くらいにはなるかな」と1月3日後楽園の場外売り場に足を運び、予想の馬券を1,000円ずつ102点購入しました。ところが一つもかすらず、夕方そのメールの発信元から申し訳ないので30,000円のサービス券を差し上げます説きました。ところで三百万円以上のつかみどりは、と聞くと次に60,000円で権利があり、30,000円のサービス券があるので特別30,000円入金して頂ければ権利があるとの回答でした。そこで今度は間違いないのか問い合わせると非常に中途半端な回答しかよこしません。そこで私は、余計なものはいらないから、もとに出した15,000円は現金で返せと要求したら決めごとだから返せないとの解答なので、きちんと説明しなければそれは詐欺、人を完全にだましていること、誇大広告とメールし、完璧な回答を求めているところです。なんと解答してくるか待っているところです。
怒り心頭で長くなってすみません。一読者の不満を聞いて頂き有難うございました。
今年も頑張って我々の指針でいてください。
失礼いたしました。